監理団体許可

   (出典:法務省、厚生労働省「外国人技能実習制度について」P5)

 監理事業を行おうとする者は、外国人技能実習機構へ監理団体の許可申請を行い、主務大臣の許可を受けなければなりません。

監理団体の許可には、事業区分として、
・ 一般監理事業(第1号、第2号及び第3号の技能実習の実習監理が可能)
・ 特定監理事業(第1号及び第2号のみの技能実習の実習監理が可能)
の2区分があり、一般監理事業の許可を受けるためには、高い水準を満たした優良な
監理団体でなければなりません。

 技能実習法は、技能実習生の職業紹介からその後の技能実習の監理まで一貫して同一の団体において行うことが望ましいとの観点から、実習実施者等と技能実習生等との間における雇用関係の成立のあっせんと実習実施者に対する技能実習の実施に関する監理を一貫して業として行う事業を監理事業として定義し、監理団体の許可制としています。このため、監理団体の許可を受けなければ、監理事業を行うことができないこととされ、職業安定法上の許可を受け又は届出をしただけでは、技能実習に関する雇用関係の成立のあっせんを行うことはできません。
 技能実習生を受け入れようとする場合には、監理団体の許可を受けた後に実習実施者等と技能実習生等との間における雇用関係の成立のあっせんを行うようにする必要があります。また、監理団体の許可を受けていたとしても、職業安定法上の許可を受け又は届出を行っていない場合には、技能実習関係以外の日本人等の雇用関係の成立のあっせんを行うことはできません。

許可の有効期間

 監理団体の許可の有効期間は、監理事業の実施に関する能力及び実績を勘案して、以下のとおり定められています。
 許可の有効期間の満了後引き続き当該許可に係る監理事業を行おうとする者は、有効期間が満了する日の3か月前までに、監理団体許可有効期間更新申請書を機構の本部事務所の審査課に提出しなければなりません。

  一般監理事業 特定監理事業
新規 5年 3年
更新※ 7年 5年
更新 5年 3年

(※)優れた能力及び実績を有する場合

監理団体の主な許可基準

1.営利を目的としない法人であること
  具体例.商工会議所・商工会、中小企業団体、職業訓練法人、
      農業協同組合、漁業協同組合、公益社団法人、
      公益財団法人等

2.監理団体は、許可を受ける際に「監理団体の業務の実施に関する基準」に従って適正に行うに足りる能力を有することが必要であり、許可を受けた後は、当該基準に従って、業務を実施しなければなりません。その内容は、以下のとおりです。
(1)監査に関するもの
 監理責任者の指揮の下で、3か月に1回以上の頻度で、実習実施者に対して適切に行うことが必要です。監査を行った場合には、監査報告書(省令様式第22号)により、その結果を対象の実習実施者の住所地を管轄する機構の地方事務所・支所の指導課に報告することとなります。
(2) 臨時監査に関するもの
 3か月に1回以上の頻度で行う監査のほか、実習実施者が法第16条第1項各号(実習認定の取消し事由)のいずれかに該当する疑いがあると監理団体が認めた場合には、直ちに臨時の監査を行うことが必要となります。
(3) 訪問指導に関するもの
 訪問指導とは、第1号技能実習の場合に、監査とは別に、監理責任者の指揮の下に、1か月につき少なくとも1回以上、監理団体の役職員が実習実施者に赴いて技能実習の実施状況を実地に確認するとともに、認定された技能実習計画に基づいて技能実習を適正に行わせるよう必要な指導を行うことです。
 訪問指導を行った場合は、指導の内容を記録した訪問指導記録書を作成し、事業所に備 え付けなければなりません。また、この訪問指導の書類の写しは、事業報告書に添付し、年に1度機構の本部事務所の審査課に提出しなければなりません。
(4) 制度趣旨に反した方法での勧誘等に関するもの
 技能実習を労働力の需給の調整の手段と誤認させるような方法で、団体監理型実習実施者等の勧誘又は監理事業の紹介をしないこと。具体的には、監理団体が、そのホームページやパンフレットなどで、技能実習生の受入れが人手不足対策になるといったような宣伝や広告を出すことは不適切な勧誘や紹介となります。
(5) 外国の送出機関との契約内容に関するもの
 監理団体は、外国の送出機関から求職の申込みの取次ぎを受けようとする場合にあっては、外国の送出機関との間で当該取次ぎに係る契約を締結することが求められています。これに加え、監理団体は、外国の送出機関が保証金、違約金の徴収を行うような契約を結んでいないことについて確認し、その旨を外国の送出機関との取次ぎに係る契約書に記載しなければなりません。
(6) 外国の送出機関からの取次ぎに関するもの
 監理団体が取次ぎを受ける場合には、外国の送出機関からでなければなりません。
(7) 入国後講習の実施に関するもの
 監理団体は、第1号技能実習において、技能実習生に対して入国後講習を行わせる主体となります。入国後講習の期間中は、いかなる事情があろうとも、技能実習生を実習実施者の都合で業務に従事させてはいけません。
(8) 技能実習計画の作成指導に関するもの
 監理団体が実習実施者の作成する技能実習計画について指導するに当たっては、技能実習を行わせる事業所と技能実習生の宿泊施設を実地に確認するほか、認定基準及び出入国又は労働に関する法令への適合性の観点、適切かつ効果的に技能等の修得等をさせる観点、技能実習を行わせる環境を適切に整備する観点から指導を行わなければなりません。
 ※技能実習計画作成指導者は、監理団体の役職員(常勤・非常勤は問
  わない。)であって、「取扱職種について5年以上の実務経験を
  有する者」か「取扱職種に係る技能実習計画作成の指導歴を有する者」
  である必要があります。
(9) 帰国旅費の負担に関するもの
 監理団体は、技能実習生の帰国旅費を負担するとともに、技能実習の終了後の帰国が円  滑にされるよう必要な措置を講じなければなりません。
(10) 人権侵害行為、偽変造文書等の行使等に関するもの
 監理団体は、監理事業を行う上で、技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行わないこと、申請者等が不正な目的で偽変造文書等の行使等を行わないことが求められます。
(11) 二重契約の禁止、法令違反時の報告に関するもの
 監理団体は、技能実習計画と反する内容の取決めを技能実習生との間で行ってはなりません。具体的な例としては、技能実習生の講習手当について、技能実習計画の認定申請の際に提出した書類に記載された講習手当より低い額の手当を支払う旨の別の合意を行っていた場合などが考えられます。
 また、許可の取消事由に該当するに至った場合は、監理団体は機構の地方事務所・支所の指導課に、当該事実を報告しなければなりません。
(12) 相談体制の整備等に関するもの
 受け入れている技能実習生の国籍(国又は地域)に応じた相談応需体制を整備させることにより、実習実施者のみでは体制整備が困難な母国語での相談を可能としなければいけません。監理事業に従事する役職員が対応しなければならず、その内容に応じて、公的機関や実習実施者の生活指導員等と連携して適切に対応する必要があります。技能実習生からの相談に対応した場合は、団体監理型技能実習生からの相談対応記録書を作成し、事業所に備え付けなければなりません。
 ※通訳人は、技能実習生からの相談を母国語で受け付ける役割を
  担う者ですが、必ずしも監理団体の常勤職員であることまでは
  求められていません。非常勤の職員が従事することや、通訳業務
  自体を外部委託することも可能です。
(13) 監理団体の業務の運営に係る規程の掲示に関するもの
 監理団体は、監理団体の業務の運営に係る規程を作成し、監理団体の事業所内の、一般の人からも見える場所に掲示しなければならず、この規程に従って監理事業を行わなければなりません。
(14) 特定の職種・作業に関するもの
 法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める特定の職種及び作業に係る団体監理型技能実習の実習監理を行うものにあっては、当該特定の職種及び作業に係る事業所管大臣が告示で定める基準に適合すること。

許可の欠格事由

1.関係法律による刑罰を受けたことによる欠格事由
 ① この法律その他出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に
  処せられた者がある場合
 ② 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に
  違反し、罰金刑に処せられた者がある場合
 ③ 役員のうちに禁錮以上の刑に処せられた者がある場合
 ④ 役員のうちに暴力団関係法、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた者
  がある場合
   ※上記のいずれも「刑に処せられ、その執行を終わり、
    又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者」
    がその対象となります。
2.技能実習法による処分等を受けたこと等による欠格事由
 ① 監理団体の許可を取り消された日から5年を経過しない者
  (取り消された者の役員であった者を含む。)等
 ② 出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為
  をした者
3.申請者等の行為能力・役員等の適格性の観点からの欠格事由
 ① 行為能力に制限がある者(成年被後見人、被保佐人、破産手続開始の
  決定を受けて復権を得ない者)
 ② 未成年の法定代理人で欠格事由に該当する者
4.暴力団排除の観点からの欠格事由
 ① 暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者)
 ② 暴力団員等がその事業活動を支配する者
 ③ 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として
  使用するおそれのある者

費用

新規申請 25万円~(消費税、実費は別途かかります)
変更許可 12万円~(消費税、実費は別途かかります)
変更届出  2万円~(消費税、実費は別途かかります)
更新申請  8万円~(消費税、実費は別途かかります)
顧問契約  3万円~/月(消費税は別途かかります)
外部監査 応相談(1回契約、年間契約など可能です)