法人設立/株式会社と合同会社
株式会社
・意義
会社債権者に対して株式の引受価額を限度とする間接有限責任しか負わない社員(株主)のみからなる会社(104条)
・責任・・・間接有限責任
・メリット・・・間接有限責任である。社会的認知度が高い 。
・デメリット・・・決算公告が必要。役員改選の義務あり 。
合同会社
・意義
会社債権者に対して出資の価額を限度とする間接有限責任を負う社員のみからなる会社(576条4項)
・責任・・・間接有限責任
・メリット・・・間接有限責任である。設立が簡単(定款の認証が不要) 。
・デメリット・・・社会的認知度が低い。株式公開できない 。
個人事業より有利な点 |
個人事業より不利な点 |
個人事業よりも信用性が高まる |
設立するための費用がかかる |
税制上有利である場合が多い |
運営上の手続きが煩雑 |
経費の認められる範囲が広い |
利益0でも法人住民税が発生 |
会社には相続税が発生しない |
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倒産時、社長は借金を負わない |
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設立の手続き
STEP1:基本事項(商号、事業目的など)を決める
1.商号
2.事業目的
3.本店所在地
4.事業年度
5.資本金
6.出資者
7.株式譲渡制限の有無
8.機関設計(役員構成)など
※「類似商号」の調査
同一住所に同一商号の法人は設立できません。商号を決定する前に念のため法務局に備え付けられている「商号調査簿」でチェックします。
STEP2:許認可を確認する
<許認可が必要な業種>
不動産業、建設業、旅行業、タクシ-業、飲食店、産業廃棄物処理業、貸金業、中古品販売、風俗営業など
<許認可が不必要な業種>
学習塾、家庭教師派遣業、便利屋、通信販売業、カイロプラクティック、葬儀業、駐車場経営など
STEP3:印鑑を作成する
1.社長個人の実印
2.会社実印(代表者印)
3.会社銀行印
4.会社角印(社印)
5.ゴム印
6.個人銀行印
STEP4:定款を作成する
< 絶対的記載事項>
定款に必ず記載しなければならない事項であり、記載を欠くか違法な場合、その定款全体が無効となります。
1.目的
2.商号
3.本店の所在地
4.設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
5.発起人の氏名又は名称及び住所
6.発行可能株式総数(株式会社のみ)
<相対的記載事項>
定款に記載しなくとも定款自体の効力は有効であるが、定款に定めがないと効力が認められない事項です。
<具体例>
・変態的記載事項
(1)現物出資
(2)財産引受
(3)発起人の報酬、特別利益
(4)設立費用の求償
・公告の方法 等
<任意的記載事項>
定款に記載しなくても、定款自体の効力は有効であり、かつ、定款外で定めても効力が認められる事項です。
<具体例>
・株主総会の議長
・定時株主総会招集の時期 等
STEP5:定款の認証を受ける(紙による定款の場合)
定款が効力を生ずるために、公証人の認証を受ける必要があります。公証人役場に行って認証を受けます。
※合同会社を設立する場合には認証を受ける必要はありません。
<必要書類>
1.定款3通 (公証人保管用、登記提出用、会社保管用)
2.発起人(全員)の印鑑証明書 各1通
※起人が法人の場合:登記簿謄本1通
3.収入印紙 40,000円
※公証人の指示があるまで絶対に貼らない
※電子定款の場合には不要
4.定款認証費 50,000円
5.謄本交付手数料 約1,000円(1枚250円)
STEP6:出資金の払込
出資払込金を証明する書類
1.残高証明書(銀行が発行)
2.預金通帳のコピー
3.払込証明書(代表取締役自身が作成)
STEP7:設立登記の申請
申請時に設立登記登録免許税(登記印紙代)を支払います。
株式会社:150,000円
合同会社:60,000円
STEP8:会社設立
「登記申請時に窓口で提示されていた指定日」に法務局へ再度訪問します。補正の必要がなければ登記完了です。
STEP9:税務署・年金事務所 等に書類を提出
各種書類を提出する必要のある役所
1.税務署
2.市町村役場
3.県税事務所
4.年金事務所
5.労働基準監督署
6.公共職業安定所
会社設立にかかる費用
株式会社
|
紙の定款 |
電子認証定款 |
定款印紙代 |
40,000円 |
なし |
登録免許税 |
150,000円 |
150,000円 |
公証人手数料 |
50,000円 |
50,000円 |
合計 |
240,000円 |
200,000円 |
合同会社
|
紙の定款 |
電子認証定款 |
定款印紙代 |
40,000円 |
なし |
登録免許税 |
60,000円 |
60,000円 |
公証人手数料 |
なし |
なし |
合計 |
100,000円 |
60,000円 |